事業承継の足かせ「経営者保証」を外すには

中小企業庁の資料によれば、70歳以上が経営する企業のうち、約半分の127万社は後継者が未定です。
円滑な事業承継の必要性が叫ばれているわけですが、とりわけ「経営者保証」がネックとなっているようです。
受け継ぐ立場から見れば、最初から「大きな負債」を抱えるようなものですから、躊躇するのも当然です。
そこで注目したいのは「経営者保証を不要とする新たな信用保証制度(以下:事業承継特別保証制度)」です。

既存のプロパー融資の経営者保証を外せる可能性がある

事業承継特別保証制度では、プロパー融資の信用保証への借換が例外的に認められています。

たとえば、以下のように2種類の融資を受けている企業があるとします。

・経営者保証付きのプロパー融資 2,000万円
・信用保証協会の保証付き融資 2,500万円

この制度を使うことで、2つの融資を合算した4,500万円を経営者保証なし&信用保証協会の保証付き融資に乗り換えることができます。
保証料率についても、経営者保証コーディネーターによる確認を受けることで優遇されます。

事業承継特別保証制度を活用するための条件

ただし、この制度を活用するには、次の(1)または(2)に該当し、かつ(3)に該当する必要があります。

(1)保証申込受付日から3年以内に事業承継を予定する事業承継計画を有する法人

(2)2020年1月1日から2025年3月31日までに事業承継を実施した法人であって、事業承継日から3年を経過していない方

(3)次の①から④まで全ての要件を満たす方

①資産超過であること。
②EBITDA有利子負債倍率(注)が10倍以内であること。
(注)EBITDA有利子負債倍率=(借入金・社債-現預金)÷(営業利益+減価償却費)
③法人・個人の分離がなされていること
④返済緩和している借入金がないこと

本制度に関する詳細は、添付ファイル(中小企業庁資料より抜粋)をご確認ください。

経営者保証を不要とする新たな信用保証制度(事業承継特別保証制度)

事業承継ネットワーク事務局に常駐する経営者保証コーディネーターが使用している「事業承継時判断材料チェックシート」はこちらです。
事業承継時判断材料チェックシート

財務状況を「見える化」することで、制度活用の可能性が高まる

事業承継のみならず、昨今のコロナ対策融資、株式相続に関する特例など、中小企業の経営を支援する制度が次々と誕生しています。
経営者は、こうした最新情報を把握しておくことで、自社に有利な制度を活用できます。

そして重要なのは、こうした制度を迅速に活用できるよう、日頃から自社の財務状況を「見える化」しておくことです。
コロナ融資の際、制度開設直後に自社の状況を報告できた企業は、いち早く融資を受けることができました。
スピーディな対応ができるかどうかで企業の命運は変わります。

事業計画書や月次報告書、資金繰り表など、相手が判断しやすい材料を揃えておくことが望ましいです。
当社では、これらの報告用資料の作成方法についてアドバイスさせていただいております。
ぜひご相談ください。

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